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第6回:遊んで直す!UIとゲームバランスを大改修

日々の記録

2026年10月2日 · @Hideyoshi Namba

結論から言うと、この日は「作る」から「テストして直す」へ、開発の段階が完全に切り替わった日でした。

機能を増やすことより、実際に遊んで、見づらいところや分かりにくいところを何度も直しました。文章が切れる。余計なスクロールが出る。ポイントが消化されずに溜まる。高配当株だけが損をする。どれも、コードを書いただけでは気づけなかった問題です。

この日の最終版はVer0.6.12です。

開発者モードで、ひたすら回した

まず、前回作った開発者モードを使いました。CPU4人で3年・10年のゲームを、何度も高速で実行します。

基本装備が3年でそろうようになった

以前は、10年遊んでも基本装備9項目がそろわないケースがありました。装備のカードそのものが足りないのではないか。そう考えて、家計管理アプリ、キャッシュレス決済、メール整理、SNS・LINEの連絡先整理などのカードを追加しました。

その結果、お金持ち思考のCPU4人で遊ばせると、3年でほぼそろうようになりました。「最初の3年は、お金の基本を学ぶ期間」という狙いに、かなり近づいてきました。

高配当株だけがマイナスになる問題

投資も確かめました。すると、高配当株の評価額だけがマイナスになりやすく、インデックスだけが回復していく状態でした。

最初は「運が悪いだけ?」と思いました。でもコードを確認すると、原因ははっきりしていました。

インデックスには、通常時の年間4〜7%の成長が入っていました。ところが高配当株には、通常時の価格の成長がなかった。なのに、市場の下落イベントだけはしっかり受けていたのです。下がることはあっても、上がることがない。それはマイナスになります。

そこで、高配当株にも通常時の年間2〜4%程度の価格成長を追加しました。インデックスより値動きは少し穏やか。その代わり、簿価を基準にした配当を受け取れる。そういう位置づけです。

この修正で、3年、10年ともにプラスとマイナスがほどよく出るようになりました。投資のバランスは、いったん問題なしと判断しています。

時短ポイントが417ptも溜まっていた

もう一つの発見が、時短ポイントです。

時短ポイントは、100ptごとに自動で追加のサイコロを振る仕組みです。ところが長期間回してみると、417ptも溜まったままになっていました。追加のサイコロが、正しく処理されていなかったのです。

短いプレイでは、まず気づかない不具合です。開発者モードを作っておいて本当によかったと思いました。

投資ルールの細かい整理

高配当株の基本ルールは前回決めたとおりです。配当は買ったときの価格(簿価)が基準。増配は年に最大1回で、一度増えた配当は下がらない。売るときだけ、今の評価額を使います。

インデックス投資は、将来的に「基準価格・購入金額・取得口数」を持たせる方向で整理しました。今は金額に利率を掛けているだけです。口数で管理すれば、暴落中は同じ金額でたくさんの口数を買えます。その結果、暴落しても積立を続けた人が、回復局面で大きく伸びる。その体験をゲームで再現したいと考えています。

重大ショックの設計

金融危機やパンデミックのような「重大ショック」も設計しました。

3年モードでは、重大ショックは起きません。お金の基礎と基本装備、投資の入口を学ぶ期間だからです。

5年モードでは低い確率で0〜1回。10年モードではノーマルで0〜1回、ハードで1〜2回程度を想定しています。候補は、金融危機、パンデミック、近隣地域での戦争・地政学危機などです。

ショックは一瞬で終わりません。「発生→悪化→底打ち→回復→正常化」と段階的に進みます。回復の速さは現実の経済より速めにして、10年モードなら暴落から回復までを一通り体験できるようにします。

影響は投資だけではありません。仕事にも及び、賞与の減少や副業収入の減少、一時的な減給まで入れることにしました。

職業ではなく「簡易キャリア」にした

収入を増やす仕組みについても考えました。

職業をたくさん用意すると、ゲームが複雑になりすぎます。そこで職業システムではなく、簡易的なキャリアシステムにしました。

流れはこうです。自分の給与水準を調べる。今の仕事を続けながら転職活動をする。オファーを比べる。転職するか、断るかを決める。

転職先は、給料が高い会社だけではありません。給料は少し下がるけれど自由時間が増える会社。給料は高いけれど忙しく、体調を崩しやすい会社。いろいろな選択肢を用意します。

さらに、準備もせず突然来たスカウトに飛びつくと、ミスマッチになる確率が高くなる仕組みも入れる方向です。現実の転職も、準備した人ほど失敗しにくい。その感覚を伝えたいと考えました。

「時間を買う」を数字で統一した

転職の話から、「時間を買う」仕組みも大きく整理しました。

これまでは、時短ポイントをなんとなく決めていました。今後は、現実に節約できる時間を仮定して、それをポイントに変換します。

基準は「30時間=100ポイント=追加のサイコロ1回」です。

たとえば、職場の近くに引っ越して通勤が1日1時間短くなれば、月に約20時間。これは67ポイントになります。家計管理アプリとキャッシュレス決済のセットなら、月に2時間の時短で、7ポイントです。

ロボット掃除機、食洗機、ドラム式洗濯乾燥機、在宅勤務、働きやすい会社への転職も、すべてこの基準で統一します。100ポイントを超えたら自動で追加のサイコロを振り、余った分は繰り越します。

家電も引っ越しも転職も、「月に何時間浮くか」という同じ物差しで比べられるようになりました。

一番苦戦したのは、盤面の真ん中の画面

この日一番時間がかかったのは、実は画面でした。

最初は、盤面の中央に「全体イベント」「生活イベント」「時間を買った効果」「プレイヤーの行動」を全部詰め込んでいました。すると文章が途中で切れる。空いている場所があるのに、別の欄ではスクロールが出る。情報を増やすほど、読みづらくなっていきました。

文字を小さくして押し込む方法は、あえて取りませんでした。その代わり、配置を何度も変えました。

最終的には、左の3分の1に全体イベントを縦いっぱいに表示。右の3分の2は、上に今月の生活イベント、下にプレイヤーの行動。この形に落ち着きました。

「時間を買った効果」の専用欄は、思い切って削除しました。時短ポイントは画面上部に表示し、あとは自動で処理します。盤面そのものも下に1マス分ほど広げ、マスも少し大きくして、中央に余裕を作りました。

追加するより、削るほうが難しい。そして、削ったほうが見やすくなる。そう実感した作業でした。

細かい表示の改善

そのほかにも、画面まわりを細かく直しました。

ゲーム開始前の設定画面は、スクロールせず1画面で見られるようにしました。人生モード、難易度、プレイ年数、開発者用の設定、初期条件、プレイヤー人数と名前、CPUの設定を、コンパクトに並べ直しています。

生活イベントの欄は、項目名と金額を同じ行に表示するようにしました。さらに「収入」と「支出」を分け、副業の収入も収入側に入れています。「被服」という表記は、分かりやすい「衣類」に変えました。

プレイヤーカードからは、「30件」のような履歴の件数表示を削除しました。代わりに基本装備9項目を常に表示し、そろっているものは濃い文字、まだのものは薄い文字にしています。ライフカードはその下で、同じカードが複数あれば「お気に入りの時計×2」のようにまとめて表示します。

「借金」ではなく「お金を借りる」

借金のルールも整理しました。

まず表記を「借金」から「お金を借りる」に変えました。借りることそのものを、悪いこととして扱わないためです。

借り方は無担保の借入の1種類だけ。借りた額に応じて毎月一定額を返し、任意で一括返済もできます。

借りるときは、「生活費」「緊急の支出」「大きな支出」「手元のお金を残すため」など、目的を選びます。何のために借りたのかは、最後のレポートにも残ります。

ただし、借りたお金で投資できる額が増える仕組みにはしません。そこは線を引きました。

人生レポートも見やすく

ゲームの最後に出る人生レポートも改善しました。

個人のカードは、ゲーム中と同じプレイヤー色の淡い背景にしました。誰のレポートかが、ひと目で分かります。

投資は、最終月の評価額をそのまま表示し、横に損益を並べます。高配当株は、「最終評価額 − 今持っている分の投資額 + 配当の累計 + 売却した分の損益」で、総合的な損益を見るようにしました。配当も含めて初めて、高配当株の本当の成績が分かるからです。

固定費、社会保険料、保険料は、累計額だけでなく内訳も表示する方向です。人生年表は、カテゴリーごとの選択履歴で十分分かるので、削除することにしました。

この日を振り返って

この日の一番の収穫は、新しい機能ではありません。実際に遊んで見つけた問題を、一つずつ潰したことです。

全体イベントが切れる。生活イベントがスクロールする。時短ポイントが417ptも残る。高配当株だけマイナスになりやすい。どれも、コードを書いただけでは気づけませんでした。遊んで、結果を見て、そこから原因をたどる。その繰り返しでした。

基本装備の出やすさと投資のバランスは、いったん「暫定完成」としました。

次はいよいよ、カード、生活イベント、全体イベントの中身そのものを棚卸しします。このゲームで、何を学んでもらうのか。そこを詰めていく段階に入ります。

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