2026年10月1日 · @Hideyoshi Namba
結論から言うと、この日は大きな転換点でした。
これまでは「とにかく動くゲームを作る」段階でした。この日からは、「実際に遊んで、学びの体験とゲームバランスを調整する」段階に入りました。
やったことは大きく4つです。画面の作り直し、開発者モードの追加、履歴の整理、そして投資ルールの見直し。これらをまとめてVer0.6.2としました。
画面を作り直した:スクロールしなくていい画面へ
実際に遊んでみて、まず気になったのが画面でした。
これまでは情報が縦に並んでいて、盤面とイベントを両方見るにはスクロールが必要でした。遊ぶたびに上下を行ったり来たりするのは、地味にストレスです。
そこで配置を大きく変えました。プレイヤーの情報カードは、盤面の左右に2人ずつ。盤面の中央には、今の手番のプレイヤー、家計、生活イベント、サイコロ、全体イベントをまとめました。タイトルやゲームモード、難易度、年数なども、盤面の中に収める方向で整理しています。
UIは「見た目」だけの話ではなかった
この作業で、UIという言葉の意味がようやく分かりました。
UIは単なる見た目ではありません。ユーザーがどこを見て、どう操作するかまで含めた画面の設計です。
HTML・CSS・JavaScriptの役割も、第1回の頃よりはっきりしました。HTMLは画面の骨組み。CSSは配置と見た目。JavaScriptはゲームの動きと計算。今回の画面の作り直しは、主にCSSの仕事でした。
遊び方の幅を広げる機能
機能面では、次の4つを追加・変更しました。
- 途中でゲームを終了して、その時点の最終レポートへ進める
- 持ち物を売れる
- いつでも借金できる
- 「追加行動」を「追加でサイコロを振る」という分かりやすい表現に変える
借金は、必ずしも悪いものとして扱いません。手元のお金を残すために、あえて借りる。そういう判断もできる設計にしました。
開発者モード:CPU4人が勝手に遊んでくれる
今回一番効いたのが、開発者モードです。
通常は1〜4人の人間が遊びます。開発者モードでは、人間0人・CPU4人で完全に自動でプレイできます。
さらに、次のようなこともできます。
- 指定した年月まで、一気に早送りする
- 特定のカードや全体イベントを、強制的に起こす
- 装備品の状態を、手動で切り替える
10年モードを毎回手で遊んでテストするのは、現実的ではありません。開発者モードがあれば、カードの出やすさやゲームバランスを、何度でも素早く確かめられます。
第2回で作った「もう一度遊ぶ」ボタンと同じです。作る側が楽になる機能は、結局ゲームの質を上げる。そう実感しています。
履歴は「変わったときだけ」残す
履歴の持ち方も変えました。
これまでは人生年表のように、時間の順に記録していました。今後は、5つのカテゴリーに分けて表示します。
さらに、同じ状態が続いているだけの「継続」「現状維持」「見送り」は記録しません。
たとえばパスワード管理ソフトが「導入→継続→継続→解約→再導入」と動いた場合。履歴に残るのは「導入・解約・再導入」の3つだけです。
状態が変わったときだけ残す。たったこれだけで、履歴がかなり見やすくなりました。
同じものを何度も買ってしまう問題
遊んでいると、おかしな現象にも気づきました。同じものを何度も購入できてしまうのです。
そこで、自分用PCや時短家電などは、持っている間は同じ購入カードが出ないようにしました。ネット銀行やネット証券も、一度整えたら同じカードは出ません。見送った場合だけ、また出てくる可能性を残しています。
現実でも、持っているものをもう一度買う人はいません。遊んでみて初めて見つかる矛盾でした。
投資を「インデックス」と「高配当株」に分けた
今回、一番時間をかけて考えたのが投資のルールです。これまで一括りだった投資を、インデックス投資と高配当株に分けました。
インデックス投資:毎月の積立
インデックス投資は、基本的に毎月積立を続けます。
通常の年は、年間4〜7%程度の成長を12か月に分けて反映します。ただし、景気後退や金利上昇、株式市場の急落といった全体イベントが起きれば、その年はマイナスになることもあります。
高配当株:カードが出たときに一括購入
高配当株は積立ではありません。カードが出たときに、3万円・30万円・300万円のどれかを一括で買います。追加購入は何度でもできます。
配当は毎年6月に受け取ります。配当利回りは、買ったときの市場環境で決まります。
- 通常時:4%
- 株価の上昇局面:3.75%
- 株価の下落局面:4.25%
下がっているときに買うほうが、利回りが高くなります。現実の株と同じ考え方です。
配当は「買ったときの価格」で計算する
配当の計算の基準は、今の評価額ではありません。買ったときの価格(簿価)です。
たとえば30万円で買った株が45万円に値上がりしても、配当は45万円の4%ではなく、30万円の4%=12,000円です。逆に株価が下がっても、計算の基準は変わりません。
増配イベント:配当は育つ
全体イベントとして「増配」も追加します。
増配は1年に最大1回。起きない年もあります。起きたら、5%・10%・15%・20%のどれかがランダムで選ばれます。
一度増えた配当は減りません。上限も設けていないので、10年間のゲームの中で、早く買った株の配当が大きく育つこともあります。
買った分ごとに管理する
高配当株は、買った分ごとに分けて管理します。
新しく買った株は、過去の増配を引き継ぎません。そのときの市場環境に応じて、3.75%・4%・4.25%のどれかからスタートします。その後に起きた増配は、その分にも反映されます。
「早く買って長く持つほど、配当が育つ」。この感覚を、数字で体験できるようにしたかったのです。
売るのは自由。買うのはカードが出たとき
売却についても整理しました。
時計・車・家といった物だけでなく、インデックス投資や高配当株も売れます。株は好きな金額を指定して売却でき、売却価格は買ったときの価格ではなく、今の評価額です。
一方、購入は原則としてカードやイベントを通してだけです。いつでも自由に買えると、投資のカードやサイコロを振る意味が薄くなってしまうからです。
売るのはいつでも。買うのはチャンスが来たとき。このバランスに落ち着きました。
まだやっていないこと
装備品9項目が、3年間でどのくらいそろうのか。この確率の調整は、まだ手をつけていません。
感覚で数字をいじるのはやめました。まず開発者モードで何度もテストし、3年終了時点で何が足りないのか、どのカードが偏っているのかを確かめてから調整します。開発者モードを作ったのは、まさにこのためです。
この日を振り返って
これまでは、新しい機能を足すことが中心でした。
この日は少し違いました。実際に遊んで、使いにくい画面を直し、おかしな動きを見つけ、投資のルールを現実に近づける。そして、バランスを確かめるための道具として開発者モードを作る。
「動くゲームを作る段階」から、「遊んで調整する段階」へ。振り返ると、開発の大きな曲がり角を曲がった日だったと思います。
次回は、開発者モードでのテスト結果をもとに、カードの出やすさを調整していく予定です。


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